novel2
□深紅の薔薇が咲き誇る
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小さな教会で、密やかに好きな人と結ばれるのが、私が子供のからの夢。
「そう。なのに……なんで!!!」
バンッと荒々しくブーケを床へと投げ出す。
ブーケの花々は花弁が散り、彼女の心も粉々に砕けた気がした。
先程までの穏やかな表情が消えていた。
目は血走り、猫目が吊り上がり、赤い唇は一文字。
純白の花嫁は、手に持っていた1枚の紙を握りつぶした。
「何よ…私は、あんなにあなたの事愛しているのに。なのに、あなたは…。」
"他の女と逃げるなんて"
彼女の心は暗い闇に落ちた。