novel2
□猫日和
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「もしも…。私が、猫みたいに壁の上を伝って歩きたいって言ったら…どうする?」
いきなり何だろうと思って、ソファーの上で膝を立て小さく丸まっている彼女を仰ぎ見る。
彼女は、いまだに首を軽く傾げじっと僕を見ている。
「うーん。手を繋いで落ちないようにするかな?」
「でも、手を繋いぐだけじゃ私、落ちゃうわ。」
すぐに、彼女は異論を唱える。
なら、そんな事するなよって言いたいけど…。
注意したって、彼女は無理にでもやってしまうのだから…今更、何か言ったって無駄だよね。