novel2

□かけがえのないキミ
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走り過ぎて苦しい。

でも、涙も鼻水も気にしてられない。


「待っ…て!」

声を絞り出す。

彼の背中がどんどん遠くへ離れていく。

彼の前には、赤いバス。

彼はそれに乗り込もうとしていた。


「待ってー!!!」

私は、最後の力を振り絞って大声を出した。

彼は、振り向き驚く。

バスの扉は閉じられ黒煙を上げ出発していった。

彼はポツンと置いていかれる。

私と彼だけが、バス停に残った。
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