story
□フローライト
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「予備校とか、興味ない?」
そんな時だった、千晴が声をかけてきたのは。
所謂進学校に通っているためか、周囲には昔から塾や家庭教師などと勉強に関心の強い友人がたくさんいたが、元来勉強が苦手ではなかった葵に別段その類いに関心があるわけでもなく。
また、家族も葵の勉強面に関しては一切の口出しをしないため、そう言った情報に疎い葵が首を縦に振るのは、そう難しいことではなかった。
そうしてまんまと千晴の言葉に乗せられてしまった葵は今日、両脇に友人を携えて、予備校の前に立ったのだった。