【Books】
□桜咲く
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「………ふぅ」
今日もここ、並盛町は美しい。
「ふぁ〜……」
その町の中に並盛中がある。
そこに君臨する、暴君的な風紀委員長。
彼の名は雲雀恭弥。
いつも屋上を陣取り、昼寝なんてしている。
「桜か……」
ふわり舞う風に乗って桜の花びらが踊る。
ピンク色の風が雲雀のもとへ届く。
「ん…」
雲雀は桜が嫌いだ。
立ち上がって、服の上に乗った花びらを軽く払う。
「春なんか嫌いだ」
そして屋上の柵に寄りかかる。
ふと空を見上げる。
薄い雲が太陽を隠し、雲雀の顔に影を作ると、その時…
ガチャ…。
いきなり屋上のドアが音をたてた。
い