Una novella

□君が頑張るなら・・・
1ページ/1ページ



ガラガラガッシャン


『雲雀さんっ!』

「どうして君はいつも静かに来れないのかな。」

『応接室に近くなるとどうしても走っちゃうんです!

…それより!駅前に新しいケーキ屋さんができたって友達から聞いたんです!』


僕はリマの話は適当に流して、どちらかと言えばリマの鞄からはみ出している白い紙に気を取られていた。


「ねぇ、これ何?」

『へ?これですか…?
………ダメです!これは絶対ダメです!』


と、焦って紙を引ったくって後ろに隠す。


「そう言われると気になるじゃない。」

『気にしないで下さい!
…って、あっ!』


ひょいっと紙をとって見ると、それは数学のテストの解答用紙。


「なに…18点って。」

『……雲雀さんです』

「そうじゃなくって。」

『仕方ないじゃないですか…
数学は一番嫌いなんです!』

「再試はいつ?」

『来週です。』

「そう。

……じゃあ、その再試受かったらデート行こうか?」


リマの顔がパァアっと明るくなる。


『本当ですか!?雲雀さん!』

「うん。」

『私、徹夜して頑張りますね!』


たった一つのデートのために必死に頑張ろうとしている君がとても可愛かったんだ。


君が頑張るなら…

(デートでケーキおごってあげるよ。)
(本当ですか!?雲雀さん!)


20100528



.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ