-victim-

□Retrace:W
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なんにも変わっていない。

服装も身長も容姿も…


あれ?

オズってこんなに小さかったっけ…


10年前はあんなにもオズが大きいと感じていたのに…


なんて考えながらオズの頬を起こさないように撫でた。


『なんにも変わってないね』

「ああ。」


私はオズの寝ているソファーから立ち上がり、紅茶を取りにいく。


『鴉はコーヒー?』

「ああ。」


さっきから返事が変わっていない。生返事。

コーヒーを渡し、隣のソファーに座る。





「ギ…ル…リマ……?」

『「…………」』


オズが目覚め、私達の名をを発した瞬間、ドキッとしたが単に寝ぼけていただけらしい。


声、翠玉の瞳、金色の髪の毛

ああ、本当にオズだ…。
10年前と何一つ変わらない。


こんな立場ではなかったら、今すぐにオズを抱きしめ、『もう大丈夫ですよ。お帰りなさい。』なんて声を掛けられるのに…


『ブレイク目を覚ましたわ』


私は気持ちをそっと胸の中で押し殺した。



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