やはり僕の青春ラブコメも間違っている

□第一章
1ページ/2ページ

青春とは嘘であり悪である
そんな一文から、俺、比企谷八幡の作文は始まる。
その作文が原因で、職員室に呼び出されたわけだが。
担任である平塚静女史の小言及び罰則を言い渡された後、話題は隣の生徒に移る。
「で、北見はなぜ比企谷と全く同じ作文を提出した?」
北見。と呼ばれた男子生徒は、黒髪をそこそこに伸ばし、首のあたりで尻尾のようにまとめた、気だるそうな男であった。ぼっちよりニートオーラがプンプンする。目は俺と同じ死んだ魚の目。そういえばこんなのが隣席にいたきがする。英語の授業とか隣同士で会話しろって言われてもこいつが会話をしようとしないため楽だったことだけ覚えている。
「えっとですね、それには事情がありまして」
北見もまた、俺と同じように会話が久しぶりなのか目が泳いでいる。
「正直考えるの面倒だったんで、隣の席にちょうどいた足柄くんに・・・」
「比企谷だ。・・・この二人には本格的な更生が必要らしいな。」
というと、平塚先生は俺たち二人についてくるよう命じる。
え、なに?今から拉致られる感じ?行き先どこかな。できれば北のワンダーランドだけは避けて欲しい。
横をふと見ると、北見が歩きながら文庫本に目を通している。
放課後のため、結構な数の生徒が歩いているのに、そのあいだを縫うように歩く。歩く。お前はどこの黒子だ。

平塚先生は歩みをやめることなく文化部室が集まる特別棟へ向かう。
マズイ、嫌な予感しかしない。多分命じられるのは清掃及び物資運搬。面倒オブザイヤーにノミネートされかねない作業だ。
「・・・・・」
となりの北見に至っては、この世の終わりのような顔をしている。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ