Novel
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今まで以上に夜も眠れず、悶々と過ごした末に、思い切ってモーダの家を訪ねることにしたのは
それから一週間後のことだった。
もういいかげんに、ケリをつけよう。
あいつに、おれの気持ちを伝えよう。
そう思ったから。
モーダの心のうちなんて、いくらがんばったっておれには想像することしかできないし、考えるだけ無駄だ。
だったら、もう考えない。
もう気にしない。
おれは、おれの言いたいことを言う。
あいつの都合なんか、かまってられるか。
とにかく、今日という今日は、はっきりと決着をつける覚悟でいなければならない。
何よりもこの、情けねェおれ自身に、だ。
(彼女の指輪のサイズも聞いたんでね。・・・・・・そういう意味を込めて)
思い出すだけで、張り倒したくなってくる。
冗談じゃねェ。
こっちが黙ってりゃいい気になってつけ上がりやがって。
ほんとに、冗談じゃねェぞ、サンジのやつ・・・!!!
冷たい塊のようなものが腹の底から突き上げてきて、
歩きながら、おれは拳を握り締める。
指輪のサイズだ?
なんて手の早い野郎だ。
ふざけるんじゃねェぞ。
モーダは、おれが落とすんだ。
モーダの家の前に立ったおれは、意を決してインターホンを鳴らした。