小説メモ&拍手お礼絵。

□たった一つの願い事。
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しかしフェイトの言葉に、ソフィアは可笑しそうに笑う。 まるでその効力を知っているかのようだ。

「わかってないなぁ、フェイトは♪」

そのままスキップでもし始めそうな声の弾みようである。
人差し指をたてて、得意げに左右に揺らす。

「何個もあったって、かないやすくなるワケじゃないんだよ?それに、いっぱいあったら“ありがたみ”がなくなるって、ママ言ってたもんっ。
お願い事をかなえるためには、1つでいーの!」

「……な、何だ、おばさんの受け売りかよ」

自分よりも幼い少女に諭されたような妙な悔しさを覚えたフェイトは、その言葉を聞いて安心したような残念なような納得したような微妙な表情をする。 流石に年下の女の子が自分より考えが行き届いてるのがのが気にならない程、大人という訳でもないらしい。
しかし彼よりも年下のはずのおさない少女は、そんな少年の心象さえもまるで見透かしているかのように楽しいそうに笑う。
それが逆に面白くないようで、少年は対称的に口を尖らせる。

そんな彼だったが、ふと彼女の言葉の意味を理解し、湧いて当然の疑問を口にした。
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