小説メモ&拍手お礼絵。
□咎人の末路
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暗い部屋の中、一人佇む。
小さな窓から差し込む頼りない光は、俺の足元をおぼろげに浮かばせて。
――足元に横たわる、一人の少女を浮かばせて。
頭の上に2つ結わえられた黒くしなやかな彼女の髪の毛は、床の上にだらりと流されて。
顔に掛かったその黒髪は、少女の表情を悟らせない。
俺は目を細めて、うつ伏せに倒れた少女を見やる。
少女はぴくりとも動かない。
その小さな身体が浮かぶ、月明かりによって青黒く映る水溜まりが、とても……残酷なものに見えて。
心と身体が、冷えきっていくのが分かる。
手には、剣。
刃は、黒いもので濡れていて。
その、きっと紅いであろうものを滴らせた切っ先を、足元に眠る少女に向けて。
――俺は呟いた…。
「……君は、俺が殺した」
言葉だけを残し、俺はその場を後にした……。