テイルズシリーズ小説置き場。

□『タイムリミット。』
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『タイムリミット。』







俺のタイムリミットは近い。 日を追うごとに、その時が己に近付いてくるのが分かる。





自分の終わりを知っている時ほど、人が焦る時はあるのだろうか?

少なくとも、俺には無いと思う。



今以上に焦る時が来る前に……、俺は終わるから。







怖い、怖い。


何度もそう思った。
けど、それじゃ何にもならないってことに気付いたから。


進むしかない。



俺が終わる前に、全てを終わらせなくちゃ…。














――焦ってはダメだと。 彼女にそう言われた。
焦れば焦るほど、人は失敗をしやすくなるのだからと。


…何となく分かる。 それに、俺にはもう失敗は許されないから。





でも、そう言ってる間にだって、期限は刻々と近付いていて。



足掻けば足掻くほどそれが近付くのは、知ってるけれど。

足掻いたってそれから逃げられないのは、知ってるけれど。



だからって、俺には逃げるのをやめることなんて出来ない。



……足掻けるまで、足掻いてやる。 焦ってでも、前に進んで、逃げてやる。
















俺のタイムリミットは近い。 もう、すぐそこまで。





でも俺は諦めない。


そんな簡単に、終わってなんかやらない。









俺の全てが終わる前に。



俺に出来る、全てのことを……。



――End.――

2007.12.29up

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