長編
□4,心モヤモヤズキズキ
1ページ/5ページ
トントン…
「おー入れー」
「失礼します」
ここは国語準備室というまぁ要するに国語に関係する場所なんだろうな。
今では俺の休憩所みたいなってるけど。
俺は吹かしていた煙草を灰皿にこすりつけ、扉を叩いた主を迎いいれた。
「日誌書き終わりました」
「はいごくろうさん」
「まったく…誰も書かないからってわざわざ頼みにこないで下さいよ。僕、今日バイトはいってんですから」
「まぁそうかてぇこと言うなって。はいコレ、アメちゃんあげるから許して♪」
「いや、結構です。てか最後の『♪』やめてください。気持ち悪いです」
あれから数日経った。
志村には色々と感謝している。
今ではパシリとして使っているが、これは俺なりの愛情表現。
本当のことをいうと、志村は俺にとっての大切な存在。
もちろん恋愛とかそういう意味じゃない。
要するにそーだなぁ………弟って感じかな。
「志村ァ、明日も頼むわ」
「え!?あ、明日もですか!!明日は…その……」
「あれー?確か明日はバイト休みだったよね?新八クン」
「はい…でも、明日は……うぅ……」
志村は何か言いたそうだが言わない。
…ったく、どーせお通のライウ゛とかそんなんだろ!!けΣ世の中には物好きがたくさんいやがるぜ!………あ、俺もか。
「冗談冗談、本気にすんなって!明日は楽しんでこいよ」
「え!?なんで分かったんですか!??」
「わかりやすいんだよオメーはよォ。ほら、早くしねーとバイトに遅れてクビになっちまうぞ!」
「あ、ホントだ!!じゃ先生さようならー!!」
「おーありがとなー気ィつけて帰れよー」
タタタと速い足音で準備室を出ていってしまった。
志村が出ていった後、少しの間だけボーッと開けっぱなしの扉を見つめていた。
すると後ろ歩きでまた志村が突然現れた。
「先生」
「んー?何か落し物でもしたかー?」
「いえ、別にそんなんじゃないんですけど…」
またしても何か言いたそうな表情をした。
だが志村はそのまま口を開こうとはしない。
…んだよ、またお通のライウ゛行こうとか誘う気じゃねーだろうな………俺はもうあんな宗教混じりなところはごめんだぜ。
「先生…」
「なーに?先生今○付けしてるから忙しいんだけど」
「いや、僕が来るまでに煙草思いっきり吸ってて暇そうにしてたと思うんですけど!!」
あのさぁ、突っ込みしてないで用件言えや用件!!
「先生…あの…僕………うん、やっぱりいいです、ごめんなさい。今度こそバイト行ってきます。じゃ」
そして逃げるように去っていった。
「え?ちょ!志村ァア!!!ハァー…どうしてアイツはいつも自分勝手なの…」
まぁ、悪気があってやってるわけじゃないと思うからいいけどさぁー。
志村が何を言いたかったのか気になるが、あまり深く考えないことにした。
アイツがもう来ないかを確認して、隠しておいたエロ本を見ることにした。