長編
□1,すべての始まり
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最初は着任式っつーのがあって何も話すことがなかったから「糖分とっとけ」やらとにかく適当に話した。
その後は校長の長ェー話があったからきりの良いとこで逃げてきた。
で、今は体育館裏の階段に座って空を見ている。
「あ〜あ……めんどくせェ〜〜。なんかどこにでもあるフツーーーの学校じゃん」
ハァー………と溜息をつく。
その時だった。
「ちょっヤメて下さいよ!!」
「い〜じゃん今は皆体育館にいるんだからさァ〜、恥ずかしがることないって」
…ん?
見えないが近くで男二人の声がした。
ったく何だよこんな朝っぱらから強姦ですかコノヤロー。しかも男同士ですんのかよ、俺初めて見たわホモ。
逃げよーっと!男同士とかマジきもいわ、関わってらんねー。
よっこらせっと立ち上がりその場から離れようとした。
「イヤ!ヤメテ!!…イヤーーーーー!!!」
俺の足が何故だか知らないが急にピタッと止まった。
何やってんだ俺ェー!!動け!動けェーーー!!
足がビクともしない。
マジ?
「お願いだから…イヤーーー!!」
ビリッと服が破ける音がした。
あ゛〜もうしゃーねーな〜!俺だって一応教師だ。めんどくせーなんて言ってられねー!!
心の中でそう言ったら足が軽くなり、声のする方へと急いで向かった。
そこにはいかにもスポーツ系男子が人を襲いかかっていた。とっさにそいつの髪をがしっと掴んだ。
「オイ、うっせーんだよレイプすんなら人がいねーとこでしろや!」
「ヤベΣ!先生だ!!」
そのスポーツ系男子クンは俺が先生だと知ってか、慌てて逃げていった。
「ありがとうございました」
襲われていた方の男を見た。
メガネをかけ、まるで女みてェーなツラした奴がそこにいた。いや、こりゃホモじゃなくても好かれんじゃねーのかってくらいに。
「大丈夫か?ま、お前みてェーな女顔はホモに好かれやすいわな。良かったじゃねーか」
「なっΣ僕は女の子一筋です!」
「そーかそーか。てっきりお前もホモかと思ったわ」
「何言ってんですかもう!……で、多分先生ですよね?何で先生が始業式サボってんですか?」
「何で俺が先生ってわかったの?」
「そりゃ、白衣着てるからでしょーが。理科の先生ですか?」
「いや、国語だけど?」
「何で国語の先生が白衣着てんですか!使い道ないでしょ!!」
「別にいいだろー国語教師が白衣着ちゃいけないって規則はないんだし」
「ま、まぁそれはそうですけど………って話それてるよ!僕は何でサボッてんですか?と聞いたんです!」
「あー、めんどくさかったから」
はぁ?という表情で俺を見ている。
「アンタそれでも教師ですか!?」
その言葉を聞いてカチンときた。