長編
□1,すべての始まり
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可愛い顔して言うときは言うじゃねーか!
「お前さっきから何なの?助けてもらっておいてそれでも教師ですかだー?俺がもし教師じゃなかったら素通りしてたわ!」
「アンタそれ人として最低だなっ!!」
どうやら相手もカチンときたらしい。
「お前こそなんでサボってんだよ!」
そうだ、こいつこそ何でサボってんだ?!
「ぼ、僕は話があるからって無理やり付き合わされて……それで……ぐすっ…」
うぇーんと泣き始めやがった。
………ったく、こんなとこで泣かれてもなァ…。
ん?
ふとメガネ君の制服に目をやると少々破けて肌があらわになっている。
「あ゛〜わーったわーったごめんな思い出させちまって」
メガネ君はうんうんと首を振ってくれた。どうやら許してくれるみたいだ。
「あのさァ1ついい?お前制服破けてっぞ?」
「あ!ホントだ!!」
あちゃーと言って自分の制服を見ている。
ありゃ?今まで気づかなかったのか??こいつもしかして天然??
「保健室に予備のがあんだろ、一緒に行くか」
俺の白衣を上からはおらせ、両肩をポンッと叩いた。
「いえ結構です、自分で行きます。先生はちゃんと始業式でて下さい」
ずれたメガネを整えながら言われた。
カチーン何なのこいつ!人がせっかく心配して言ってやってんのによ!!
今度襲われても俺ァ知らねーからなァァ!!
「あー!わーったよ!!着替え終わったら教室戻っとけよ!先生からの命令だ。クラスわかるな?」
「はい、朝一に発表がありましたから」
「そーか、んじゃ俺もお前の命令に従うとするか」
頭の後ろをめんどくさそーにポリポリと掻いた。
「お願いしますね」
じゃ、と言ってその場をあとにした。
「あ、名前聞くの忘れてた…ま、いっかそのうち会えんだろ」
それにしても初対面なのに喋りすぎちまった。まえの学校は教師と生徒に壁があったからあんなに長く生徒と話すのは初めてだ。
きっとあんな奴がゴロゴロといやがんだろーな。
楽しみになってきたぜ。
期待を背負いながら体育館の扉を開けた。