Log

□10.07.08
1ページ/1ページ



雲一つない黒い空。

星一つない真っ暗闇。

視線を移せばグーグーと鼾をかいて寝ている恋人。

そんな恋人に微笑みつつも、また何もない真っ暗な空に視線を戻す。


こういう時、ふと考える事がある。


「苦しい」と。


別に何の不満などない。

むしろ満足だらけ。

僕は何をやっても不器用で毎日店長に怒られてた。

そんなある日、こんなご時世に木刀を持っている侍が僕に救いの手を差し延べた。


その侍というのが、銀さんだった。


いつの間にか銀さんが経営する万事屋で働くようになり、その後神楽ちゃんや定春も加わった。

今ではもう家族同然。


だけど、いつかそれを失うと思うと胸が苦しくなる。

どんなに得ることはできても、得れば得るほど失う時は必ずくる。

ずっと自分のものにしていけるほど僕は器用じゃない。


銀さん…、銀さんが一番よく知ってるハズだ。

失うことがどんなに辛くてどんなに苦しいのかを…。

僕はそんなのやだ…。

ずっと皆と一緒にいたい。


「このまま時が止まればいいのに…」


そうなれば失わなくて済むから…。


空を見上げれば暗闇から小さな光が差し込んでいた。

それがいつしか暗闇を消し去ることとなるだろう。





__

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ