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□10.07.08
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雲一つない黒い空。
星一つない真っ暗闇。
視線を移せばグーグーと鼾をかいて寝ている恋人。
そんな恋人に微笑みつつも、また何もない真っ暗な空に視線を戻す。
こういう時、ふと考える事がある。
「苦しい」と。
別に何の不満などない。
むしろ満足だらけ。
僕は何をやっても不器用で毎日店長に怒られてた。
そんなある日、こんなご時世に木刀を持っている侍が僕に救いの手を差し延べた。
その侍というのが、銀さんだった。
いつの間にか銀さんが経営する万事屋で働くようになり、その後神楽ちゃんや定春も加わった。
今ではもう家族同然。
だけど、いつかそれを失うと思うと胸が苦しくなる。
どんなに得ることはできても、得れば得るほど失う時は必ずくる。
ずっと自分のものにしていけるほど僕は器用じゃない。
銀さん…、銀さんが一番よく知ってるハズだ。
失うことがどんなに辛くてどんなに苦しいのかを…。
僕はそんなのやだ…。
ずっと皆と一緒にいたい。
「このまま時が止まればいいのに…」
そうなれば失わなくて済むから…。
空を見上げれば暗闇から小さな光が差し込んでいた。
それがいつしか暗闇を消し去ることとなるだろう。
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