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□10.06.26 sat
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(PK戦)
「ヅラぁー!これで決めたら俺達の優勝だ!!」
「あんなメガネに負けんなヨ〜!!」
ヅラー!ヅラー!!ヅラー!!!
ヅラァァアア!!!!
どいつもこいつもヅラヅラと…
俺の名はヅラじゃない、桂だッ!!
と、ツッコミたいとこだが、今はそんな余裕などない。
何故だか貴様にわかるか?
わかるハズなどあるまい。
何故なら貴様にはこんな状況、日常生活にはありえないからな。
俺は江戸のかぶきCHOを代表するサッカー選手。
メンバーは俺、エリザベス、銀時、リーダー、…(以下省略)だ。
そいつらと一丸となって数々の試練を乗り越えてきた。
そして、ついに…つ・い・に!この日がおとずれた。
決勝戦、相手は強豪チーム、「寺門通親衛隊」。
普段は内気らしいが、サッカーとなるとものすごく強くなり、さらに「寺門通」というアイドルの曲を聴くと最強になるらしい。
俺達はかなりいい決闘をし、PK戦で勝敗を決めることとなった。
いつもなら前半で10点くらい、いやそれ以上いくのだが、FWの俺や銀時は何故か調子が悪かった。
やはり、あのせいなのか…。
俺の目の前いる至って地味なメガネ君。
どうやら俺や銀時はこいつに惑わされているらしい。
無論、本人は全く自覚ない。
おそらく銀時も俺と同じ感情を抱いているだろう。
前屈みになり必死にゴールを守る姿勢…
その姿に…
ドキッ!!としてしまった。無意識に。
今は真っ正面からその姿を見なければならない。
…やはり駄目だ。
絶対ミスをしてチームメイトに罰ゲームとして俺のトレードマークの長い髪を切られるのが目に見えている。
しかし…これを決めたら優勝…。
くそっ…どうすればいいんだ…。
侍とあろうものがこんなことでウジウジと悩むとは…。
いや、今は侍JAPANだった。
「さっさとこいヤッターマン!!!」
…ヤッターマン!?俺を見てヤッターだと!?
嬉しい…嬉しすぎる!!
いっそボールの代わりに俺がゴールに入りたい。
そしてゴールキーパーに止めて(抱きしめて)もらいたい!
「おい!さっさと蹴ろや!てめぇごと蹴るぞゴラ!!」
是非そうしてもらいたいとこだが、ここは譲れない。
もしこのゴールを綺麗にスパッと決めたらあの子に気に入られるかもしれない。
よし、決めるか…。
いや、ここは告白をして蹴るというのはどうだ?
うん、そうしよう。
すまないな…エリザベス。
俺はもうあの子に惚れてしまったらしい。
「好きだァァァアアア!!!」
全力で蹴ったボールはゴールの上を飛び越え、後ろのカメラに当たった。
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