千南

□公式
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「南ー!!数学の教科書貸してー!!」

千石が教室のドアを勢いよく開けたと思ったらそう叫んだ。

「千石!お前また教科書忘れたのか?!」

「いやぁ…。あはは…」

苦笑いをしながら右手で頭を掻いた千石に俺は思わずため息をはいた。

「全く、しょうがないな…」

自分の席に行き、数学の教科書を中から取り出し千石の元へと行く。

「ほら、汚すなよ」

教科書を千石に渡すとニッコリ笑って手に取る。

「メンゴ、ありがと南」

お前悪いと思ってんないだろ!!








授業が終わり千石が教科書を返しに来た。

「本当助かったよ、南。じゃ俺は戻るね」

俺に教科書を渡すと、さっさと帰っていった。

「なんなんだ?千円のやつ」

まぁいいか。
それにしても千円が教科書を返しに来てくれて良かった。
ちょうど次が数学だからな。





授業中、教科書の隅のほうに落書きがしてあることに気づいた。

(?あいつは何を書いたんだ??)
そこには

1059×373=0

と書いてあった。


(どういうことだ?1059×373は0にはなるわけがないんだが…)

いくら考えてもゼロにはならない。
これは後で千石に聞くしかないな。








さっきは6時間目だったから今は部室にいる。
「やっほー!!」
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