千南
□公式
1ページ/3ページ
数学の教科書を忘れてしまって南に借りに来た。
「南ー!数学の教科書貸してー!!」
教室のドアを勢いよく開けて、南に向かって叫ぶ。
「千石!お前また教科書忘れたのか?!」
「いやぁ…。あはは…」
苦笑いをしながら右手で頭を掻いた俺に南は呆れたようにため息を吐く。
まぁ、忘れるたんびに借りに来られたらそうなるよね。
でも出来るだけ沢山南に会いたいから、南にしか借りに来ない。
「全く、しょうがないな…」
自分の席に教科書を取りに行った南。
なんだかんだ言っても結局は教科書を貸してくれる。
「ほら、汚すなよ」
教科書を貸してくれた南に向かって満面の笑みで笑う。
「めんご、ありがと南」
今は数学の授業中。
証明なんてつまらない。
公式のほうがいい。
公式さえ覚えれば解けるから簡単。
証明は覚えても解けない。
数学って厄介だよねぇ…。
そうだ!!
いいこと思い付いちゃった!
ちょっと落書きさせてもらうね、南!
授業が終わり南に教科書を返す。
「ほんと、助かったよ南。じゃ俺は戻るね」
南が教科書を見て気づく前に俺はさっさと教室に戻る。
南に教科書を借りた時間が5時間目で、返したのが6時間目の前。
そして今は部室に入るところ。
「やっほー!!」