真田受け

□卒業
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もうそろそろ卒業の季節が近付いてきた。
部長も柳さんも、もちろん真田さんも。
皆俺だけ置いて卒業してしまう。

レギュラーは全員そのまま高等部に上がると言っていた。
だから高等部のテニスコートへ行けば、真田さんたちと一緒にテニスが出来る。
でも、それはテニスをするときだけ。

俺よりも一学年上だから今でも学校で会えるのはすれ違った時や、教室に行った時しか会えない。
でも真田さんたちが高等部に入学してしまえば、それさえもなくなってしまう。
俺は来年こそ立海大中を全国優勝へと導かなければならないから、高等部のほうにはめったに行けないと思う。


真田さんたちは入学して一年もたたないうちに先輩を蹴落として、レギュラーになるだろう。
そうなれば真田さんたちとの差がさらに広がるだろう。
そんなのは嫌だ!

「どうしたのだ、赤也?」

「真田さん、俺真田さんたちに卒業して欲しくないっす…」

部活が終わった後の部室で、着替えている真田さんにいきなりそうつげた。
一緒に着替えていた他の先輩も俺がいきなりそんな話しを始めたことにビックリしてこちらを見た。

柳さんは開眼までしている。

真田さんは困ったように俺に言った。

「それは出来んのだ。俺達がいくらこの学校に、赤也と一緒に居たいと願っても時が止まってくれることはないのだ」

「真田さん…」

「…だから赤也、俺達は待っているぞ。高校テニス部で、レギュラーとして待っている」

真田さん…。

「うっす!待ってて下さいね!俺が高校に上がった時にレギュラーじゃなかったら、潰しますからね!!」
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