その他
□言えるわけ無いやん!
1ページ/2ページ
『侑士ー!元気にしとるか?』
「謙也か?久しぶりやな。元気にしとるで」
跡部と二人で忍足の家にいるときに、謙也から電話がかかってきた。
忍足との時間を邪魔された跡部は機嫌がよろしくない。
しかし、忍足はそれには気づかず謙也と電話を続けている。
「おい、侑士!電話じゃなく俺の相手しろよ」
「久しぶりの謙也との電話なんやからもうちょい待って!」
自分に構うよりも、謙也との電話を優先されたことに跡部の機嫌はさらに悪くなるが、跡部もそこまで心が狭いわけではないので、暫くは電話をさせてやろうと思い口を閉じる。
だが、いつまで経っても電話が終わる気配がない。
何をそんなに喋ることがあるのか不思議だ。
これは確実に電話が終わったらお仕置きコースである。
『それでな、白石がいつもの決め台詞を叫びよってな!もう皆大爆笑やねん』
「なんやそれ!流石白石やなぁ。ほんまおもろいわ」
ケラケラ笑いながら話す謙也は興奮しているのか声がでかい。
忍足を後ろから抱きしめる形で座っている跡部には丸聞こえだ。
『その後ユウジが白石の物真似始めて、二人してエクスタシー言いよるから俺ら笑い止まらんくてな!』
「それ容易に想像出来るわ…」
『そやろ?それからな『謙也さんいつまで電話しとる気なん?』…光!邪魔せんで!!』
どうやら謙也の他にも居たらしい。声が聞こえてきた。
「誰かと一緒におるん?」
『おん。四天宝寺の天才、財前光って知っとるやろ?』
「あぁ、知っとるよ」
『そいつと一緒に俺ん家おんねん』
「なるほどな。にしても、仲良いんやね」
『当たり前っすわ。謙也さんは俺のなんで』
「えっ?!それってどういう「俺様をほったらかしにしていつまで電話してんだよ」
あまりにも長い電話に対し、跡部の我慢が限界を超えたようだ。
「景ちゃん!!」
『なん?侑士も一人やなかったんやな』
「おん。跡部と一緒におったん」