BL小説
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今日から一人暮らしすることになった……住むのはこのボロアパート『寺田屋』。
家賃が安くて、駅やコンビニも近い好物件なんだが、やたらボロい…なんでも曰くつきとかなんとか…
「べ、べ、別に幽霊とか怖くねぇし!!むしろかかってこいだし!!」
とかなんとか一人でぼやきつつアパートに入った。
「……なんだ、中は案外普通じゃぁねぇか…」
「ちょいと」
ふと後ろから声がかけられた。振り向くとそこには…
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!化け物ぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「誰が化け物だコラぁぁぁぁ!!……ここの大家だよ。大家のお登勢」
後ろで声をかけたのは、着物を着た、なんとも風格のある化も…じゃなくて大家さんだった。
「なんだ大家さんかぁ。それならそうと言ってくれればいいのにぃ〜」
「あんたがいきなり叫んだんだろうに…
まったく煩いのが来ちまったね…
あんた坂田銀時だろ」
「うっす。今日からお世話になります」
ぺこりと小さくお辞儀をした。
「はいこれ。あんたの部屋の鍵ね。二階の201号室だから」
チャリッと鍵が手渡された。特に何も付いていない普通の鍵。
「じゃ、なんかあったら言うんだよ」
そう言って大家のお登勢は自分の部屋に戻っていった…
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