BL小説

□ケータイの没収には気をつけましょう…
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『───おかけになった電話は電波の届かないとこにいるか、電源が…』

「……チッ」

機械的な案内の声を最後まで聞くことをやめ、ケータイを閉じた。


これで何回目だ…

2時間くらいも前からかけているが、ずっとこの調子…

時刻は午後5時。
とっくに学校は終わっているはず…アレは部活もやってないし。

第一なんで電源切ってんだ…


今日は別に会う約束なんかしていない。だからこうして電話して会えるかどうか聞こうとしてんのに…


【電話出ろ馬鹿】


そうそっけない内容のメールを一応送っといた。


電話に出ないとなると、通信手段が全くなくなるわけで…


「ったく、なんのためのケータイだよ…不携帯か」


誰に言うでもなく呟いた。

途方に暮れて歩いていたらいつの間にか、アイツの学校まで来ていた…



俺とアイツは学校が違う。
中学までは一緒だったが、アイツは馬鹿だったから、俺の行きたい高校に落ちた。

だから今は、放課後とか休みにしか会えない。
別に寂しいとかは思ってない。


けど…こうして無意識のうちに学校に来ているということは、寂しい……のか?


んなわけない!!!っと頭を振る…


「つーか…校門の前で待ち伏せとかどんだけだよ。
もう帰ってたら、終わりだぞ…てか阿保丸出し…」


ぶつぶつと俯き加減でまた呟いていた…

暫くすると数人の生徒が校門をくぐっていった…
俺は反射的に顔を見られないように、俯いた…


また暫くすると、今度は聞き覚えのあるけだるそうな声が聞こえた。


ハッと顔を上げて校庭の方を覗くと、そこには見知った銀髪が歩いていて……隣の知らない男子生徒と楽しそうに歩いていた…


「───っ」


思わずその場を走り去っていた。


ただの友達だろうとすぐ思いついた…でもどうしても見たくなかった。

わかってた…学校が違うからいつも一緒じゃない…
他に好きな人ができるかもしれない…


人の心なんて簡単に変わるんだ…



そう思っていると急に後から腕を引っ張られ、振り返った…



そこには……




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