BL小説
□真珠
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「うーん…やっぱり晋ちゃんは可愛いよね〜」
「ホストの言うことなんざ信用できっか…つーか可愛いとか男に言う台詞じゃぁねーだろ」
「いやいや、可愛いし綺麗だよ。どんな女よりも、ね。
そうだなぁ…例えるなら…」
──真珠
いつもは当たり前のように家に上がり込み、ソファーに座ったと思えば即押し倒してくるのに、今日は違った…
なぜならインターホンが鳴ったから…
「……誰だよ、こんな夜中に…」
夜中にくるヤツなら心当たりはある。
金時のヤローだ…
だがアイツは、インターホンは鳴らさない。
だから他のヤツだと思って出ると、そこには見慣れすぎた光るような金髪が立っていた…
「……あ、こんばんは」
金髪は、恭しく頭を下げた。
「…何してんだァ金時…
頭ぶつけたか?ついに完全におかしくなったように見えるのだが…」
最初は眉間に皺を寄せたが、すぐに嘲るように笑ってやると、それでも変わらず金時(?)は恭しい表情のままだった…
いい加減おかしくねぇかと思った俺は、試しに金時の両頬を掴んでみよーんっと伸ばしてみた。
金時の皮を被った他のヤツだと思ったから。
「………お前ェホントに金時かァ?」
「いひゃいいひゃい…おれらお…ひんほひらお…(痛い痛い…俺だよ…金時だよ)」
ホントに痛いのか、目に涙が滲んでいた。
それを見た俺は、しかたなくパチンっと頬から手を離した。
「……なんだよ、インターホンなんて鳴らしやがって、それになに挨拶してんだァ?」
「いやぁ〜たまにはいいかなって思って〜晋ちゃんの警戒したような顔が見たかったていうか…」
パッと、いつもの金時に戻った。
「なんだよそれ…ふざけてんのかァ?」
「半分?「帰れ」」
ガラガラと扉を閉めようとしたが、ガッと扉を掴んで金時が拒んだ。
「いやいやいや!!嘘、嘘です晋ちゃん!!ふざけてません!!ごめんなさい!!だから閉めないで!!俺野宿するはめになるから!!」
「自分の家帰ればいいだろ…
なんだって毎度毎度うちにくるんだよ手前ェは」
「そりゃ晋ちゃんが好きだから!!!!!」
「うっせぇ!!でけェ声だすな!!」
とりあえず、外にいるのは近所迷惑になると考えた俺は、しかたなく金時を家にいれた。
「はぁ〜……やっぱ落ち着くなぁ〜なんかもう我が家って感じ」
「落ち着くなよ…」
結局いつものようにソファーに座った金時とは反対側に座ろうとしたが、「今日はコッチ」っと金時に腕を掴まれ隣に座らされて抱き着いてきてきた…
「だってさ〜仕事から疲れて帰ってきた俺を、いつも温かく迎えてくれる恋人がいてさ」
「温かく迎えているつもりなんざァこれっぽっちもねぇがな」
「なんだかんだ言って、ご飯も作ってくれるし…
朝まで、付き合ってくれるし…」
「手前ェが色々言うからだろ…
それにコッチは寝たいのに、無理矢理ヤリやがって…」
「のわりにはいつも気持ち良さそうだけど」
「……………黙れ」
だからさっと金時は俺の方を真っ直ぐと見つめて微笑んだ。
「俺、ここに住もうと思う!
同棲ってやつ」
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