BL小説
□カラフル
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「晋ちゃぁん!!!遊びに来たよ〜」
家の2階に向かって叫んだ。
すると閉まっていたカーテンがシャッと開いて、窓が開かれる。
「あ、晋ちゃん!」
窓から眩しそうに顔を見せたのは、Tシャツ姿の高杉だった。
あぁ、今日も可愛いもやしっ子!!
「煩せぇよ…インターホン押せ天パ」
心底嫌そうな顔をして、一旦窓を閉めた。
しばらくしてガチャリと音がして高杉が出てきた。
Tシャツの下はグレーのスエットだった。
「…あっつ…
早く入れ」
すでに倒れそうな表情で、俺を呼んだ。
つーかどんだけ、体弱いんだよ。
家に入って、そのまま高杉の部屋に行き、いつも通りにベットを背もたれにして腰を下ろした。
「ひゃー暑かった〜」
「ほらよ。サイダーでいいか?」
リビングから飲み物とお菓子を持って高杉が部屋に入った。
「もうサイコー!!ありがとう」
コップを受け取り、冷えたサイダーを喉に流し込む。
「ぷはー…ゲフッ…ったまんねー」
「仕事帰りのサラリーマンかお前は……」
高杉は呆れ顔でポテチの袋を開けて器に入れた。
俺だったら袋のまんまテーブルに乗せるけど、そういう気遣いが高杉らしいな〜。
「ところで晋ちゃん。クーラー効き過ぎじゃね?何度よ?」
部屋に入った時は、外からきたばかりでそんなに感じなかったが、体がなれてくると少し効き過ぎのような気がした。
「あァ?22度だけど」
さらりと言ってのけるコイツが怖い。
「22って!銀行かよ!!って例えがわかりずら!!」
思わず自分でツッコミを入れてしまった…
「晋ちゃん、もっと地球のこと考えて!!!
それに、これじゃぁ余計に体悪くするよ!!」
俺はきっと高杉が地球温暖化を進めていると思った…
きっと、地球を破壊するつもりなんだ……
そういうのは原作だけにして!!
「別にかまいやしねーよ。地球がどうなろうと」
「バッカ!!地球がなくなったらお前も死ぬんだぞ」
「そん時ゃ、地球と一緒に心中してやるよ」
「何その潔さ、武士ですか?侍ですか?あァん?」
「なんで喧嘩腰なんだよ…」
高杉は俺の気持ちなんてまったく気にせずポテチを手に取り、口に入れた。
「………もう、そうやって悪いことする晋ちゃんにはお仕置きしてやんよ!!」
「はァ?」
意味がわからないという顔をしている高杉を横目に俺は、かばんから袋を取り出した…
それは、さっき店で買ったばかりの物だった……
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