BL小説
□廻る
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全く似合わない…
黒く綺麗な髪を振り乱して戦場を駆けるさま。白い肌に、汚らしい血が着くさま…
似合わない…
人が死ぬのも、人を殺すのも嫌いなくせに強がって、陰で泣いているのも知っている。
「大丈夫」と呟いた声が震えているのも知っている。
何もかもが怖いのに……似合わない。
本当の君はとても純粋で、優しくて、目に映る全てのものがキラキラと光ってたんだろうね…
君は知らなかったんだ。
この世界がどんなに醜いかを…
でも君は現実を世界を知ってしまった…
大好きだった人を殺された…
世界に…
復讐なんて似合わないよ。
汚れ役なんて似合わない…
そういう役は俺がやるから。
だからお願い…狂わないで…
────それでも君は狂ってしまった…
だから…
だから、俺が…
「もう良いよ…もう…疲れたでしょ」
そう言って、君を殺すよ…
そしたら君は笑ったね…
この世のすべてから解放されたように…
それでいいんだ…
やっぱり君は笑った顔が一番綺麗だよ…
さぁ、息を止めよう…
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