BL小説

□ホシノハシ
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ねぇ…星と星を紡いで橋が出来たら、一番に会いに行くからね……


──ホシノハシ


「ただいま〜……って、誰もいないんだった…
んだよ、せっかく銀さんが帰ってきたのによ〜」


ヒックっとしゃくりをあげて、そのままソファーへダイブした。

時刻は深夜1時を回ったところ…家には誰もいない。神楽は新八の家に泊まりに行った。
俺が呑んで帰るから…


明かりをつけていない部屋は、月明かりと街灯だけで照らされていた。
それだけなのに、随分と明るかった。


「ふわぁー…眠っ…
でも着替えなきゃ…面倒臭さ…
もういいか、このまま寝よう」

瞼が重い…意識が遠退く。



─────
──

『なぁ、星って命の光なんだってさ』

『はぁ?命ィ?』

『だから、星が流れたら誰かが死んだ証拠なんだと』

『星ねぇ…え、じゃぁさ、天の川ってあれ、織り姫と彦星が川渡って会いに行くんだよね。
命の光とやらを踏んで会いに行ってんの?酷いね』

『ククッ…ちげーねー』

『まぁでも、それだけ会いたいってことなんだよね〜。
俺も、お前に会いたくなったら星の橋を架けて会いに行くよ』


『なにメルヘンチック抜かしてやがる。
んなもん架けなくても会えるだろーが』

『あ、そっか…ってメルヘンチック言わせたのはお前だろ!!』

──
─────


「へっくしゅん…ずびっ…
寒っ…あぁ、窓開けっ放しだったからか」


にしても、変な夢見てしまった…

あれは確か…攘夷戦争の前か…
高杉と話してたやつ…


はぁと小さく溜息をついて窓を閉めに立ち上がった。


「んなもん架けなくても会えるか…
もう架けても会えないかもね…」

窓の縁に手を置いて、夜空を見上げる。

空には数え切れないほどの星がこれでもかと言うくらい輝いていた…


「命の光…
大丈夫流れてないよ」


流れ星なんてそうそう見れるものでもないしね…

ミシっと音を立てて、一人掛けの椅子に腰掛ける。
暫く星を眺めていたがいつの間にか、膝を抱え込む形で座っていた。


「…なんともまぁ女々しい体制だな…

はぁ、会いたいな…
でも会えないな…だって何処にいるか知らないし、第一、会って何て言う?」

会いに来たよ。ってか?あほらしい…


どんどんセンチメンタルになっていく…

昔は普通に話して、喧嘩して、笑えたのに…
星の橋なんていらないくらいに…


いつからこんな風になったんだろ……

会いたいな…





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