BL小説

□隣のもやしっ子
1ページ/4ページ



靭帯切って病院に入院した俺が出会ったのは、同い年の男だった………


──隣のもやしっ子


「なぁ、ここの答えなに?」

「少しは自分で考えたらどうだ?」

「むー……」


シャーペンを鼻の下で挟み、机に突っ伏す……

病室の消毒臭さも慣れてしまって…と言うより自分が消毒臭くなった気がする今日この頃。

3日に一度くらいの割合で病室に現れる土方達が渡してくる学校の課題を必死に解く俺の横で相変わらず本を読んでる高杉…

元々俺は馬鹿だから課題を解くにも結構苦戦してた。だから駄目元でこの前高杉に聞いてみたら、驚くことにすらすらと解かれてしまった…


意外にも高杉の頭が良かったことが判明したため、それからは高杉に聞くことにしたのだが、今日は断られてしまった……


「てかさ、なんでそんなに晋助は頭良いの?」

「さぁな…元々のつくりじゃね?」

目線は本から外さずに、ククっと笑った

「嫌味だ……」


最近高杉が嫌味を言うようになった気がする。
これが高杉の素なのかななんて思う…
……そして相変わらずツンデレだ。

そういえば先日からお互いに名前で呼び合うようになった。


もうやめたやめた〜!!!と叫んで、勉強道具を片付ける。

「もう少し粘れよ…まだやりはじめて10分しかたってねーぞ」

「いいのいいの。
俺は勉強よりも晋助とおしゃべりすることを選んだから」

だから馬鹿になるんだよ…と聞こえた気がしたが、気のせいだと信じます!


「あー…ねぇ、天気もいいから屋上行かない?」

「んぁ?あぁまぁそうだな…
暇だしな…」

「そうそう、これ以上晋助がもやしっ子になったら困るしね。
なんか最近ますます色白くなってるし」

「なんだよもやしっ子って…」

よいしょっとベッドからゆっくりと足を降ろした。
手術も無事に終わって、最近はリハビリ中心になった俺の足は、松葉杖で結構楽に歩き回れる様になった。
そのため、高杉を連れて病院内を散策いた。

まぁ、だいたい行くのは売店か、今から行く屋上か中庭だった。
外出禁止だし、そこくらいしか行くところがないからである…



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ