BL小説

□些細な契り
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久しぶりに高杉が家に現れたらしい。

チャイムを一回鳴らし終えたと同時に玄関のドアを開けて、ずかずかと上がり込んでくる。

こんなことをするのは1人しかいないから、高杉と決めつけた。


昨日俺は、夜遅くまで呑んでいて、ソファーの上で寝ていたらしいことにチャイムが鳴った時に気づいた。

だから今俺は寝起き…服も寝間着だし、髪もホザボサ(これはいつもだが…)、だからこんな状況で奴に会うのは正直気が引けた…が、そんなことを考えている間に奴は居間まで来ていた。
神楽が新八の家に泊まりに行ってたのが不幸中の幸いだ……


「邪魔するぜ」

そう一言言うと、どっかりと俺の向かいのソファーに座った。


「お前さぁ、そういうのは玄関上がる前に言えよなぁ…」

はぁ、とため息を吐きつつ頭を掻いた。


「俺だってわかってたんだろ?」

早速俺様発言……

「そうだけどよ…つーかお前何しに来たんだよ、こんな朝早くっから」


「別に。用がなきゃ来ちゃいけねーのか?」

茶とつけ足して、煙管を吸いはじめる。


「へいへい…お前なぁ、仮にも指名手配犯なんだぞ…わかってんのか?」

どっこいしょ、と我ながらじじくさいなと思いつつも台所にお茶を淹れに向かった。


会いに来てくれるのは嬉しいけど、もうちょっと自分のことも考えろよな、なんて心配している自分に少し驚く。

「……はぁ〜」


「銀時早くしろ」


居間から物凄く偉そうな声が聞こえて、はいはいと返事を返して居間に戻る。


「…ほれ」

高杉の前にお茶を置いてやると「……ん」と呟いただけで、飲むことはしないで、黙っていた。





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