BL小説

□隣のあの子…
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君のことを忘れない……


──細い管…


「…まさかこんな時に靭帯切るなんて夢にも思うまい……」

「ホントだよ…ふざけてんのか?」


消毒臭い、真っ白病室。

その中にある一つのベッドに仰向けで寝かされ片足を吊されている。
そんな俺の周りに何人かの友達が立っている。


「お前なぁ、今度の日曜試合なんだぞ…わかってんのかぁ?」

わかってらぁ…俺達3年は今度の試合負けたら最後なんだから…

俺は、高校のバスケ部の一人で、一応今度の試合もスタメン入りだった…
しかし一昨日の練習で転がっていたボールを踏んで転ぶという恥ずかしいヘマを踏んだ…

病院に行った結果靭帯が切れてて即手術…
まぁ成功したからいいものの、完治まで約一ヶ月掛かるらしい…
当然試合に出れるはずもない…

「ちゃんと勝てよ!!俺のために」

「何様だよ…つーかお前に言われなくても勝ってくるわ。
じゃぁ俺ら帰るわ…」

「え、まぢ?
じゃぁ今度来るときジャンプ買ってきといて〜あといちご牛乳」

「誰が買うかアホ!!」


そう静かに叫ぶと、笑いながら帰っていった…

なんと薄情な…


ハァとつまらなそうに溜息をつくと、カーテンの閉まった横のベッドからゴホゴホと噎せる声が聞こえた。


この病室は四人部屋なのだが、今は俺の寝ているベッドと横のベッドしか埋まってない。

しかも横の人の顔を見たことない…
ずっとカーテン閉まってるから。

「あの〜大丈夫ですか?」

横の人が気になって(色んな意味で)おずおずと話しかけてみた。


「……あ、あぁ」

少し息を切らせながらそう返ってきた。

声からして男…しかも俺と同じくらいか?

ますます気になっていると、カーテンが開かれた。


そこにいたのは、黒くて艶のある髪に、肌の白い眼帯の男だった………





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