BL小説
□小さなバレンタイン
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小さな恋心の続編です。
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数週間前、自分の教え子(小学生)に告白?されたことについて銀時は未だに悩んでいた……
「なぁ、やっぱあれって本気なのかな……」
「あぁ?またあのことか?」
銀時は自分の机に顎を乗せながら、隣にいる土方に聞いた。
あの告白の後、その詳細について土方に相談してみたのだが、「…まぁ、子供の言うことだ気にすんな。どーせ明日には忘れてるさ」と言われた。
しかし、次の日になり高杉の様子を見てみると、「早く大人になるためにはどうすればいい?」などと言うことを銀時に聞いてきたため、銀時は「あぁ、忘れてないな」としみじみ思うはめになった。
それからというもの、銀時は完全に高杉の告白について気にし始めたのだ。
「だからよぉ、何度も言うがまだ子供何だからアレだろ、お母さん好き〜先生好き〜程度の好きだろ。お前がそこまで気にする意味がわかんねーよ」
土方がパソコンのキーボードを打ちながら、珈琲をすすった。
「なんか、お前が『好き〜』とか言うとキモいな…」
「お前、人がせっかく相談に乗ってやってんのに、なんだその態度は!!」
と横目で睨み付けられた。
「でもさ、なんか違うんだよ。だって早く大人になる方法とか聞いちゃうんだぜ。よく年下の子が年上の人に対して恋に堕ちた時に言う台詞だぜ」
土方が少し考えた後、ふとカレンダーに目を止め、ニヤと口元が緩んだ。
「銀時…安心しろ、そろそろバレンタインだから、女の子にチョコとか貰えば目が覚めんだろ」
「そんな簡単に行くか〜?」
「お、噂をすればまた入り口にいるぞ」
土方の言葉に顔を上げると、確かに職員室の入り口に高杉がいた。
(もう放課後なのになんの用だ?)
と思いつつ、入り口に向かった。
「…高杉〜なんの用だ早く帰らねぇと家の人が心配すっぞ」
高杉は相変わらずの俯き加減で、銀時の手を引いて職員室から出て、廊下の壁に銀時を張り付けた。
(うぉ、なんだこれ…)
「高杉どうした?」
銀時がしゃがんで、話しやすい位置にくるとようやく高杉が口を開いた。
「………先生甘いもの好き?」
よくわからない質問だったが銀時は好きだぞと答えた。
すると高杉はほっと安堵した表情になった。
暫く沈黙が続いて銀時が口を開いた。
「……高杉…俺のこと……あぁやっぱなんでもない!!!」
しかし銀時は最後まで言いきる前に話すのを止めた。
(ダメだ……沈黙のせいでつい口が…)
高杉の方を見るとじっと銀時を見ているだけだった。
「………ほら、もう遅いから帰りな」
わしゃわしゃと頭を撫でてやると嬉しそうに目を細め、頷いた。
「先生バイバイ……」
「おう!!気いつけて帰れよ〜〜」
そう言うと、高杉はパタパタと駆けていった…
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