BL小説

□彼氏じゃなくて彼女です(笑)
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放課後の二人だけの教室…

只今補習の時間だったりする。



「なぁ、銀八の誕生日っていつ?」


向かい合わせで座って、シャーペンを回しながら高杉が聞いてきた。


「ん〜?たしか10月10日だったはず」


俺と言えば相変わらずの白衣姿で煙草を吸っていた。

「なんだよ、たしかって……」


「いや、この歳になると自分の誕生日とか忘れちゃってねぇ…祝ってもらえないのが悲しくなるだけだからさ」


「なに、オヤジくせぇことぬかしてやがる…まぁ、彼女もいない悲しいヤツだかな」


「失礼な、彼女くらいいます〜目の前に〜」


ぷいっと顔を横にやってチラッと高杉を見たら、顔を赤くしていた。


「照れてんだ〜、かわい〜」


そう言うと高杉は手元にあった消しゴムをおもいっきり俺にぶつけた。


「ガッ!!!!」


「照れてねぇし、彼女でもねぇ!」


「あぁごめん、ネコのまちが……ごめんなさいごめんなさい……椅子は投げないで」


椅子を両手で持ち今にも投げつけようとしてるとこでなんとか止める…


「つか、なんで誕生日なんか聞いたの?」


「………別に、気まぐれ」


「でもさ、聞いたからには祝ってくれるんだよね。明日だし」


期待の目で高杉を見つめた。


「……………ケーキくらいなら買ってやらないでもない……」


「ホントに!?じゃぁじゃぁ、明日俺休みなんだけど、デートしてくんね?」


「………いいけど、あんま期待はするなよ…」


「やった〜!!ありがとぉ」

勢いに任せ高杉に抱きついたが、今度は殴ることなく素直に抱きつかれていた。でも顔は真っ赤だったけど。



「…銀八……」


「ん?なぁに」





「ハッピーバースデー……」


高杉がボソリと耳元で呟いた。
 

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