BL小説

□メルヘンとグレーテル
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街頭アンケートで『1つだけ願いが叶うなら?』と聞かれたから『いくつでも叶いますように』と答えた。

すると隣で「お前ぇらしいな」と君は言ったね。


でも、本当はそんなんじゃなくて、俺にもちゃんと願いがあってそれが君と同じならいいのになぁなんて思ってる。



「君と書いて恋と読み、僕と書いて愛と読む」


畳でゴロゴロしながら呟いてみた。

「僕ってなんだよ………じゃぁ、人と書いて嘘と読み、嘘と書いて人と読むってか?」


横で三味線をポロポロと弾きながら君が続けた。


「流石上手いね。
……君は7画で僕は14画でって、ピッタシ半分だ…」


畳を指でなぞっていたらふと気づいた。


「…………僕は僕の半分しか君を愛せないのかなぁ?」


「可哀想にな…」

ククッと喉で笑う。

「他人事みたいに…」


「俺ぁ君でも僕でもないからな」


まぁ、確かにそうだ…


「今日は日曜日でお休み。3の次は4でぇ」


「この旋律(メロディ)はド・ミ・レ・ト・゙ド…まぁ三味線はドレミじゃねぇがな。でもそんな気分だな」

クスリと笑った君につられて俺も笑う。


「こんなに決まりきった世界でも、俺たちはちゃんと生きてる…のかなぁ?」

仰向けになって君を仰ぎ見る。


「さぁな…」

瞼を伏せて三味線を弾く。


少しずつ世界は変わるから、変わらないものを探してみる。

それでも、それはそれで幾つもあって、俺のこの気持ちもその一つであってほしい…



「君と書いて恋と読み、僕と書いて愛と読む……
高杉と書いて俺の嫁と読む」

「銀時と書いて腐れ天パと読む」


睨みをきかせながら言われた。




そんな他愛もない話をした昼下がり。




[respect:RADWIMPS/メルヘンとグレーテル]

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