BL小説
□愛しのあの子
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可愛い可愛い愛しのあの子……
俺だけに笑って……
──愛しのあの子──
昼休みの屋上…
夏の暑い太陽が刺さるように痛い…
「──あ、いた……」
出入口の屋根の上にそついつは寝転んでいた…
「高杉〜起きてる?」
俺は高杉の前にしゃがんで話す
「……んだよ、銀八かよ……」
鬱陶しそうに片方しかない目を開ける…
「先生と呼びなさい。」
高杉の白い頬をつつく
「うぜぇ……つか何の用だよ…」
俺の手を払って背を向ける
「昨日補習こなかったでしょ…待ってたのに」
高杉はクラスの問題児だ…
まぁうちのクラスはみんな問題児だが……
所謂不良ってやつだ
授業も殆んどサボリで来たと思ったらずっと寝てたり……
でもなぜか学校にはほぼ毎日くる…
「……塾だったんだよ…」
「あれ?高杉塾なんか行ってたんだ……意外…」
「うるせぇ…だいたい補習なんか行ってられっか…めんどくせぇ…」
「う〜ん……来てくれないと先生泣いちゃうよ…」
口元に手をあててうるうるとしてみる…
「知るかよ…」
そっけない……
「俺、高杉のこと恋愛感情で好きなんだけどな〜」
「………はぁ!!?何言ってんだお前…本気かよ…」
カバッと起き上がる
「うん!本気〜」
ニコ〜と笑ってみせる
「………バカだろ…だいち生徒と教師だぞ…てかその前に男同士…」
「そんなの関係ないよ…俺は高杉のことが好き…それだけで十分…高杉は俺のこと好き?」
そこまで言うと高杉の顔が一気に赤くなる
「〜〜知らねぇよ!!んなこたぁ…」
「(耳まで真っ赤にして本当に可愛い……)じゃぁ、少しでも俺のこと好きだったら、今日の放課後教室にきて…」
高杉の黒くて綺麗な髪を撫でる
高杉は俯いて是とも否とも答えなかった
そして予鈴が鳴る……
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