物語の続きを
□第七章
1ページ/1ページ
*
――昔々あるところに、小さな国の王様がいました
「もっと、もっとこの国を大きくしなければ……このままでは、他国から攻め込まれた時、対抗できない……」
――王様は神と契約して、国を強くするかわりに、自分と血の繋がった全ての女性を生贄に差し出してしまいました
「いいのよ。これが、貴方を選んだ私の定めだもの。貴方はそれを悔いては駄目。悔いてしまえば……ただの贄となるのは私だけではないわ」
――けれども、王様はどうしても、たった一人の妻だけは差し出せませんでした
「どうして私だったの……どうして……」
――どうかとお願いして、お妃だけは、命をとられず呪いだけで済んだのです
「なあ……もしかしたらお前は、生きていたことを後悔する日が来るのだろうか」
――お妃様はそれから、毎晩うなされるようになりました
「嫌っ! 嫌よっ! 出してッ、ここから出してっ!!」
――眠ろうとしても眠ることができず、起きていても悪夢をみます
「お気を確かにお持ちください! どうか…」
――これが神との契りなら、なんと惨い神なのでしょう
「いやあ! もう嫌ぁっ!! ……殺して……」
――お妃様は苦しみ抜いた挙句、ある月の綺麗な夜に花畑の中心で、自らの首を裂いて自害してしまいました
「花言葉……? この、お花の……?」
――白かった花は赤に染まり、王族はその花を育てることを宿命としました
「その罪を忘れるな」
――おしまい
・・・To the next story・・・
2011.07.02