犬タロの作文
□白い花
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「あー!!」
「渚、うるさい」
からりの晴れた翌日の朝、二人がまたそこを訪れると昨日は悲しそうにうなだれていた白い花がそよぐ風に静かに揺れていた。
びちゃびちゃだった花びらも今では朝露を浴びて絹のように輝いている。
本当だったんだ。
あんなに濡れてたのに。
元気無かったのに。
「よかったな」
びっくりしてカヲルが目線を花に奪われていると、シンジが優しい顔で微笑みながらそんなカヲルの横顔を見つめている。
「うん、よかった」
枯れなくて、折らなくて、死んでしまわなくて
本当によかった。
「…よかったね"シンジ君"」
そよそよと小さく揺れる白い花に指先で触れながら…カヲルは少しだけその紅い瞳を細めた。
可愛い可愛い小さな花。
弱くて細くて、でも簡単には折れたりしない白い花。
そんな強い花に…僕は、大好きな人の名前を付けました―――
おまけ?
「ちょっと待て。お前、今なんて…」
「え?だからよかったね"シンジ君"って」
「なんでボクがそんな事言われないといけないんだよ」
「え?違う違う。こっちの"シンジ君"」
「は?」
「だから、この花。"シンジ君"」
「…ッ!!は、花に人の名前を勝手に付けるな!!!」
「え?だって可愛かったから」
「ッ////」
天然タラシ気質有な渚君でした♪
(意味不明なまま終わる)