犬タロの作文
□カボチャ王子のハロウィン日和
1ページ/4ページ
10月某日。
鳴り響く呼び鈴の音にマンションのドアを開けるとそこには
「とりっく おあ とりっく〜?」
変な顔にくり抜いたカボチャを被る…バカの姿がありました。
『カボチャ王子のハロウィン日和』
「シンジ君――!!!開けてってば―!!」
どんどんとドアを叩く音が正直やかましい。
てか近所迷惑だから止めて欲しいのが正直な所だ。
そんなボクの思いも何のその。ドアを叩く音は一向に鳴り止まずにますますデカくなっていく。
(あ―うるさい!!!)
このままでは埒が開かないので、仕方なくその"バカ"(←強調)が家に上がる事を許可した。
「で、なんだよ。それは」
(ついに脳みそにまで花咲いたのか?)
目の前に正座する只今人間社会勉強中のシトを見下ろしてそう言うボクを、社会勉強中のシト…つまり渚は訝しげな顔をして見上げている。
「…なんかすごい酷い事考えてない?」
「ボクは至って普通の事しか考えてない」
憮然として言い返すボクに、渚は少しだけ眉間に皺を寄せると膝に乗せてある持参のかぼちゃ頭をそっと撫でた。
「…今日は、ハロウィンだって話聞いたから。シンジ君喜ぶかなーって」
「ハロウィン? あんなん仮装じゃなくてただのカボチャ被った変質者だろ」
「ヘンシツシャって何?」
「………」
授業のノルマ。大幅アップ決定(←エヴァパイロット兼教育係[笑])
「ハロウィンにはカボチャ被るのが常識で…とりっく おあ とりっくって言うと、カボチャ大王が…」
「出る訳ないだろ!!!カボチャ大王って何!!?それ以前に誰に聞いた!?そんなデタラメ!」
「え、ファーストだけど?」
「…………」
「…………」
…綾波って…渚のコト嫌いなのかな…ι
それ以前に綾波ってハロウィン知ってたんだ―、と少し違う意味で感心してしまった。