大空の小部屋
□大空の続く地
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§武の場合§
周りの奴らより、俺は成熟していた。
幼稚園にいる間は、明るく道化を演じていた。
見兼ねた父ちゃんが、自分がどういう存在かを教えてくれた。
生れつき、殺しの剣を継ぐ。それが、俺の道だと。
言われるが侭、俺は力を付けた。けれど、どんなに完璧な型でも、それは抜け殻だった。
自分は何のために剣を抜くのか。
自分は何のために人を傷付けるのか。
自分は何のために、己を、殺すのか。
全てがわからないことだらけだった。
いくら人より成熟していても、自分はほんの小さな子供。
世界が、崩れそうだった。
そんなとき、あの二人に会ったんだ。