大空の小部屋

□大空の続く地
2ページ/10ページ


§まりあの場合§


私は、生まれる前に父を亡くした。

交通事故だったらしい。

でも、実際はボンゴレの仕事中で命を絶たれたと知ったの。

父は、[世の血を引いていたけれど、それは誰も知らなかった事。

父は、幼なじみのルーチェを愛していた。
ルーチェもまた、父を愛していた。
けれど、ボンゴレもマーレもトリニセッテの一角を担うもの。
結ばれることは赦されなかった。

そして一夜、たったの一夜だけ、二人は一つになった。
誰にも知られずに、誰にも悟らせずに…




唯一二人の関係を知るものが居た。

百合奈という女性だった。

彼女はただの一般人だった。
抗争に巻き込まれ、病に伏せってしまった人。
私を、3才まで育ててくれた、お母さん。

二人の仲を知った上で父と婚姻関係を結び、母の立場を知った上で私を自らの子として育ててくれた。



幸い、私はボンゴレの血が強かったらしく、マーレの力は持たなかった。
それが、唯一の救い。


それが、お母さんが逝く間際に教えてくれたこと。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ