薄桜鬼短編夢

□雪恋
1ページ/4ページ

「(あ、足くじいた)」



私はよく捻挫をする。特にこの雪道なんてどうぞ私にくじいてくださいと言ってるようなものだ。かなり痛くて歩けなくなることも多々あって、けどそんな事言ってられない。ちょっと休んだら進まないと人の邪魔になるし。



「(痛いなぁ。荷物多いし)」



資格とるために今講習を受けてるけど荷物がハンパない。教科書はやたら厚いし、重いし、実技に使うエプロンやタオル、それに上履きも入ってる。講習先にロッカーなんて無くて毎日毎日重い荷物を引きずりながら行ったり来たり。だからさらにきつい。
はぁ、と何度目になるかわからない溜め息を吐くと滑って転んでしまう。



「いた・・・」
「大丈夫か?」



声がしたから後ろを振り向くと、白いマフラーをつけて焦げ茶でファーのついたダウンジャケットを着た男の人が私に手を差し伸べてた。何この人、すごい格好いい。私は芸能人とかにも絶対靡かない自信があるのにこの人に甘い言葉を言われたらすぐ落ちそう。それくらい格好良いと思った、同時にこの人の前で転んでしまった事がすごく恥ずかしくて私は慌てて立ち上がった。(緊張しすぎて手を借りはしなかった)



「す、すみません!今どきます・・・!」
「いや、別に構わない。それより派手に転んだが大丈夫か?」
「だ、大丈夫です」

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ