□・右目の殺し屋
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「はいはーい、動いたらブッた切るよ」


狭い路地に二人の男がいた。
一人は刃を突きつけられる恐怖に怯え、一人はさも楽しそうにその姿を見ている。口からはくつくつという笑い声までもらして。
刃を持つ男は殺し屋であった。そして刃を向けられる相手は標的だ。

標的はある富豪の家の使用人として仕えていた。位は低いが客人への対応は誰よりも上手く、仕事もしっかりとこなす。少々出来すぎた男だった。
そんな男も自分の恋愛感情には勝てなかった。こともあろうに主の娘に惚れ込んでしまったのだ。しばらくは我慢できていたものの明くる日、ついに手を出してしまう。どうしても止めることが出来なかった。事が主に知れれば仕事を止めさせられるどころか、殺されてしまうかもしれないということは重々承知の上で。

娘も男を好いていたのでそのまま誰にもバレることはないと思った。…思っていたが、現実誰が知ったか言ったのか、男は殺されかけている。どんなことでもそう上手くはいかない。





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