テニスの王子様T

□言葉なんて要らない
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言葉なんてモノは必要なくて。


目と目で通じ合えるモノがある。



ほら、また。

目を見ただけで君から伝わってくる。



溢れそうな程の愛情。


好きって気持ち。



一緒に居たいって願い。





お互いがお互いに、伝え伝わり、絡み合った目線に想いを乗せる。




あたしも宍戸も、素直に自分の気持ちを言葉にできる程器用じゃない。



だからこうして目で伝える。



ううん。こうして目で伝える事しかできないの。





「………なぁ」



「………ん?」



「……俺って……」





"激ダサだな"なんてお決まりの言葉を呟く宍戸はちょっと悲しそうな顔。



何が?って聞けば小さなため息を吐きうつむいた。





「……自分の気持ち、ちゃんとお前に言えねぇ……」






素直にれなくてごめんな。



耳まで真っ赤になって言う宍戸は十分素直だよ。





「…宍戸…?」



「………あ?」



「…言葉なんて要らないんだよ」





ちゃんと伝わってるから。
宍戸の気持ち。



そう言って抱き締めれば、戸惑いながらも答えてくれる。





「……サンキュー…」








そう言葉なんて要らない。



目と目で通じ合えるあたし達だから。



溢れそうな程の愛情も
好きって気持ちも

一緒に居たいって願いも





赤くなった頬と、優しい瞳が物語っている。




だから



言葉なんて要らないの





『言葉なんて要らない』

(…大好きだよ…)
(見つめ合う二人の)
(以心伝心)








―――END―――
 

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