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□これを愛だというのなら。
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これを愛だと言うのなら、まさしく愛だろう。
愛してると言ってもいい。
この世界がなくなっても、弟さえ…雪男さえいてくれればそれでいい。
なんて美しい兄弟愛なのだろう。
「兄弟なんてものじゃない。」
兄弟以上の存在なのだ。
だって人を愛することは悪いことじゃないだろう?
親父だって「雪男が大切だし、好きだ。」と言うと頭を撫でてくれたんだぜ。
そういえばどこか寂しそうな顔をしていたけど、俺たちが親離れしたから寂しかったんだろう。
雪男、雪男、雪男…
これからもずっと一緒にいるためには、しなければいけないことがある。
さぁまずはこいつらを片づけるとしよう。
普段は手にしない拳銃を手に俺は部屋から出た。
雪男と俺の世界を作るために。
(神様、この哀れな子をどうかお救い下さい…)