GANTZ2

□嫌な日
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「トリックオアトリート!」
「…は?」

西くんの眉間に幾重にも重なる皺。西くんそのうち眉毛の間の隙間なくなるよ。

「ごめんごめん、(英語が苦手な西君のために解説すると)お菓子くれなきゃ悪戯するよ!」
「お前今なんか馬鹿にしただろ」
「えっしてないよ!!!」
「トリックオアトリートくらいわかるっつの、死ね」
「あはははそうだよね、で、トリックとトリートどっち?ねえどっち?」
「トリ・・・・どっちでもねえし」

ああ、西くん可愛い。外国人に「ハロー」と言われただけであせっちゃって「は!?は、は、はぁ〜?」って、いつもの「は?」と、言いたいけど恥ずかしくて言えない「ハロー」を混ぜたような微妙な返しをしてしまったときみたいな可愛さ。あの後西くんは私とも話さなくなって「みんな死ね、死ねばいい」と呟きつづけた。

「まあいいや、お菓子ないなら、悪戯しちゃうよ?」
「ハッ、どうせお前の悪戯なんて大したもんじゃねえんだっつーの」

そう言って西くんが自分の下駄箱を開けると、死にかけた蛾が2匹、上履きに乗っていた。
一匹はなんとか弱弱しく飛んでいったが、もう一匹はよろよろと西くんの下駄箱から這い出ると、羽を動かすことなくすぐに床へ力なく落ちた。

「あ、これ私の悪戯」
「訂正。お前趣味悪い、お前の悪戯こわい」

というわけで、西くんからのど飴キャンディーをもらいました。

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