nOvel

□キャンディー
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「はよ」


昨日は久々に会えた。
だから宮城と一緒に寝た。
別に疚しい意味では無くて、
他愛もない話をしながら一緒に寝たんだ。
幸せな夢を見た。


久し振りにグッスリと眠れたのは宮城がいたから、
なんてことは絶対に言わないけど。




嗚呼、また暫く会えなくなるのかな…

朝から、大学に行くのが億劫だ。

「じゃあ、俺行ってくるから。お前もちゃんと学校行けよ!」

一瞬
心読まれたかと思った。


「いってらっしゃい」

本当は行かないで欲しいのに…


「あ、忍」

「何?」

「ほらよ」


渡されたのは小さな飴玉。

赤い透き通った綺麗な飴玉。



そのまま宮城は仕事に出掛けた。

「これ、絶対着色料使ってるな」

一人で笑っていた。


キャンディ一つぶで
こんなにも幸せな俺は
本当にお手軽だな、


でも、
宮城から貰ったからだぞ?


こんなの
何処にでも売ってる飴なのに、

永久保存してしまいそうな俺がいた。
 

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