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□タコさんウィンナ―とウサギの林檎
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「美咲」
「ん?何〜?」
「タコさんウィンナ―が食べたい」
「はい?」
この人、本当に大丈夫なのか?
耳を疑いたくなる言葉に
呆れて何も出てこない。
「美咲、はやく」
「何だよ急に…どうしたのさウサギさん」
「無償に食べたくなったんだ」
「はいはい…ちょっと待ってて。次いでにお昼にしよう?」
「嗚呼」
結局作ってあげるんだから
俺はウサギさんに甘いなあなんて思う今日この頃。
「出来たよ。」
持ってきたのは
皿に盛られたお弁当。と言うのが正しいのだろうか?
「凄いな」
「別に普通だよ。ウサギさんが出来な過ぎるだけ」
「うん。だから美咲いなきゃ俺生きていけないな」
「…………っ!」
どうしてこの人はこんなにもサラッと
恥ずかしい事を言えるのだろうか?
絶対日本人じゃないな。
「あ、ウサギの林檎だ」
「共食いだね」
そういって笑った時間は何よりも
幸せだった。