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□雨雨降レ降レモット降レ
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「…雨、ですね」
「そうだな」
捜査本部に窓は無いけれど、外の映像は監視カメラからモニターで確認できた。
「雨…大変ですね」
「まあ、此処から出られない僕達には関係のないことだろ?」
ほんの小さな嫌味のつもりだった。
「外、行きましょか?」
「え?」
たっぷりと一拍置いて返した返事は疑問系で。
「ですから、そのままの意味ですよ」
「いや…竜崎、疲れてるのか?」
「ワタリ、聞いていたか?外に行く」
「はい」
「準備してくれ」
「はい」
どうやら本気の様だ。
珍しく、鼻歌まで歌っている。
何だか僕も、
雨が楽しくなってしまった。
雨雨降レ降レモット降レ