Thanks
□Cherry
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俺に抱えられたまま、落ちてしまったパフェを見てまだ嘆いている彼女。
撮影用に色々な混ぜ物をしているから食べることはできない、ということを知らないんだから無理もないんだけど。
教えてしまったら、すぐにでも腕のなかから離れていきそうで…言うに言えない。
だけどもっとイイコトを思い付いたから。
肩を叩きながら呼んでみる。
「なんだよ」と言いながら振り向いた彼女の後頭部に手を回し、僅かに俺を見下ろしている顔を引き寄せた。
赤く熟した唇に、下から掬い上げるようにして口に咥えていたものを押し付ける。
半分齧ったそれを彼女の口内に押し入れて。
甘酸っぱい果実と共に彼女の唇を味わった。
絡まる舌先に感じる、甘いあまい味わい。
もっと強く感じたくて深く舌を差し入れればぎこちないながらも応えてくれる。
抱き締めた腕に力を入れて逃がさないようにして。
蕩けるようなCherry Kissをこころゆくまで堪能した。
end.(2010.04.27)