捧物

□いつか
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(おまけ)

「…ところでさっき、何をバッグから出そうとしたの?」

しばらくしてから腕の力を緩めて問いかけると美咲は真っ赤になって凄い勢いで身体を離した。

「あ…いや…その…」

言い淀んでいる美咲を碓氷は先を急かすでもなくただじっと見つめる。やがて美咲はおずおずとバッグの中から箱を取り出すと無言で碓氷に押し付けた。
受け取った碓氷も何も言わずに箱を開け、中にあったものを見て目を見開く。

「鮎沢…これ…」

「…お前の作るヤツほど美味くはないだろうけど…その…前、嬉しかったから…」

これぐらいしかできないんだが…と俯いたまま言う美咲と箱の中身を交互に見た碓氷は、不意打ちの手作りプレゼントに赤くなって破顔した。
飾りのないシンプルなチーズケーキは美咲の性格を表わしているようで、余計に碓氷の笑みが深くなる。

「鮎沢がケーキを手作りするなんて…
 ねぇ…襲っていい?」

「アホかぁっ!!///」

美咲の怒鳴り声も虚しく結局は食べられてしまうことになる。


end.(2009.09.09)
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