宝物
□いつまでも一緒に(2009.09.09)
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ふ、と思った。
今日なんかあったぞ。
なんだろう。
えーーっと.....
別に誰かの誕生日でもない。
バイト先の、何とかDAYの日でもない。
うーん。
思い出せない。
生徒会室にて、考え込む会長がいた。
それをおもしろそうに眺める男子生徒ーー碓氷拓海
「美咲が考えてる。」
あぁそんな姿も可愛いなと思いながらずっと見ていた。
「拓海となんかだったような??」
「あ、いや違うな」
(あーあ、いいところまで行ったのに.....)
「そろそろヒントでも出してあげようかな」
そう言って碓氷は扉を開けた。
「みーさきっ、何か考え事??」
「なんだ、拓海か。今忙しいから後にしてくれ」
しっしっと碓氷を自分から離そうとした。
「でも、美咲は何か思い出せないんじゃないの??」
(げっ、ばれてる。なんでだろう・・・・)
「それは、美咲のことをずっと見てたから」
「お前ってさ、さらーーっと変態発言するよな」
怪訝そうな顔で碓氷を見て、美咲ははぁーーっとため息をついた。
「実はさ、今日、なんかあったような気がするんだ」
今日はなんだか素直だなーなんて碓氷は思ったがそんなことを口にしたら彼女に怒られてしまうので敢えて言わないでおいた。
「そっかーーー。ちなみに俺は知ってるよ」
「得意そうに言うな!!!なんかムカつく!!!!
あ、でも拓海が知ってるってことは、二人の間でなんかあったのかな??」
「そうそう。俺達の間でだよ」
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
わ、わからない!!!
美咲はどうしても思い出せなかった。
「はぁーー、美咲は駄目だなーー。」
諦めたように碓氷が言った。
「これでわかるでしょ。」
そういって突然、会長の机に座って、美咲の顎を上に向けて、軽くキスをした。
「あ.......」
「気付いた?!」
「そっか、今日は付き合って半年の日だ!!!」
「正解。」
はい。じゃあご褒美。
今度はゆっくりと味わい深くたっぷりとキスをした。
美咲も顔は真っ赤だったが、口を開け、碓氷の舌の侵入を許した。
生徒会室には似つかわしくないクチュッ、クチュという音が響いている。
お互い堪能して、唇を物惜しそうに離した。
さすがにずっとは辛かったのか、美咲はハァッ、ハァッと息を整えていた。
やっと、普通に呼吸が出来るようになって、碓氷の目を見た。
「た、くみ。これからも・・・・」
「これからも??」
「これからもお願いします!!」
「りょーかい」
そして、どちらから求めるということなく甘いキスをした。
いつまでも一緒に